ビジョンへの到達に向けて 働き方・労働条件の改善を目指す

 

 JR九州の歴史と共に歩んできた「平成」という一つの時代が終わり、「令和」という新たな時代に入りました。この間、国鉄改革の目標としてきた「株式上場」を2016年10月に達成することが出来ましたが、発足当初の大変厳しい経営状況を考えたとき、誰もが想像すらしなかった上場を果たすことができたことは、JR九州が基幹産業である鉄道の収益改善を推し進める一方、関連事業の積極的な展開等に取り組んできた成果であると共に、会社経営を積極的に支えてきた組合員の協力と懸命な努力があったからに他ありません。

 こうしたJR九州の発展を支える「人材」への投資は、企業にとっても労働組合にとっても最優先されなければならない課題であるとの認識に立ち、私たちJR九州労組は、発足以来労働者の雇用の確保を前提として、賃金をはじめ、諸労働条件の向上に向け積極的に取り組んできました。

 こうした中、私たちは、JR九州が明確に株式上場の実現を明らかにしたことを受け、2014年7月に開催した「第23回定期大会」において、今後5年間の到達目標と株式上場を展望とした目標としての中期労働政策ビジョン「チャレンジ2018」を策定し、その実現に向けて労使協議を中心とした取り組みを通じ、ビジョンに掲げた目標を実現してきました。

 「チャレンジ2018」の取り組みにおいては、5年連続となるベースアップによる賃金水準の向上やパートナー社員(地域社員)の無期雇用転換制度の導入、次世代育成支援制度の確立、嘱託再雇用者の労働条件改善など株式上場までの目標を中心に一定の成果を得ることができました。しかしながら、まだまだ未達成の目標も多く残っており、今後の課題として残りました。

 私たちは、こうした状況を受け、第26回定期大会以降「チャレンジ2018」に代わる新たな労働政策ビジョンを策定するべく、中期労働政策ビジョン検討委員会を中心に議論を深めると共に、総対話集会やアンケート等による意見集約ならびに討議を積み重ねてきました。

 策定した新たな中期労働政策ビジョン「チャレンジ2023」は、激変する社会情勢や会社情勢等を考慮し、JR連合が策定した「中期労働政策ビジョン(2019~2023)」の動向にも注視し、「チャレンジ2018」の到達状況や残された課題等を総括したうえで、職場の働き方改善提言の具現化、既に到来している第4次産業革命への対応などを盛り込んだ構成としており、「安全の確立」「ワーク・ライフ・バランス」「賃金制度・雇用制度」「豊かな生活・働き方改善」の4つの視点からの提言を行い、2019年度から2023 年度までの5年間の中期目標を掲げるほか、JR九州労組が最終的に目指すべき将来ビジョンについても明示しています。

 ついては、JR九州労組に加入する全ての組合員が、本ビジョンの趣旨や課題認識、及び目標を共有化すると共に、やりがいをもって業務に精励できる制度・環境の創出に向けた取り組みを強く要請します。その結果として、将来に亘りJR九州労組に集い働く者にとって、魅力あふれる労働組合であり続けることが可能となることを確信し、提言するものです。

 

 

 

チャレンジ2023の詳細はPDFファイルをご覧下さい。
PDFファイル | サイズ:2.64MB | 53ページ